今年もよろしくお願いいたします

2011年11月24日

「きもと」こんなに増えました

懐古趣味ではないです。
面白いなあと思って集めていたら、こんなになりました。
「生もと」のお酒ばかりのご紹介。(笑)


そもそも「生もと」に興味を持ったきっかけは

〇生もとのお酒ならいつもの1.5倍は飲める
(↑「別にきもとじゃなくても人の1.5倍は飲むのだからそんな必要は何もない」という主人のツッコミあり)

〇低精白のお酒の味の多さと違う味の複雑さがあるのに、キレ味がなぜかスッキリ

〇山廃と酸の種類が違う気がする

というようなものでした。


最近では少しずつ科学的根拠を研究されてきているようです。
造っている過程での醗酵の仕方が違うのは、「生もと」と「速醸もと」では酵母の様子が全然違ってくるからだと言われています。
味わいの違いについても、ペプチドに由来する旨み成分のせいだというようなことがよく言われています。

でも、まだまだわからないことだらけです。
特に飲んでいる印象では「生もと」のお酒の熟成は想像通りにはいかない。
だから飲んで検証するのがとても楽しいです。



簡単な印象とお酒の画像のご紹介

きもとのどぶ.jpg

私が「生もと」にはまるきっかけとなったお酒。

奈良『生もとのどぶ』

しっかり醗酵しているのでお酒の中に余計な味が残っていない分、澄んだところのお酒は強く、すっきり、軽快。
「にごり」で優しいお米の甘みと複雑味を補っています。
このお酒のお燗がいろんなお料理にあう。
日本酒ってこんなに守備範囲が広いんだと気が付かせてくれたのもこのお酒でした。

「辛くて苦手」
というお客様がいらっしゃいましたが、最近は仕込みタンクによって飲みやすいものなどもありますのでぜひご相談ください。



睡龍きもと.jpg

同じ蔵の『睡龍生もと純米』
「我が家の定番酒として定着しています」
とおっしゃるお客様が少しずつ増えています。
我が家でも定番酒です。



次に、今年はじめてリリースされたものをご紹介

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神奈川『いづみ橋 生もと純米 黒蜻蛉 くろとんぼ』22BY

清涼感のある生もとです。
自己主張が強くないのに、しっかりしています。
今飲んでも熟成させても面白そうです。
和食にとてもよく合います。
特にいろんな出汁が混ざったお料理に相性が良かったです。



旭菊 きもと.jpg

福岡『旭菊 生もと純米』22BY

『綾花 瓶囲い』のお蔵の「生もと」です。
強さよりチャーミングな感じが特徴です。
こちらの蔵のお酒は、どのお酒もチャーミングな感じがあります。



日置桜 きもと雄町.jpg

鳥取『日置桜 生もと雄町』22BY

『日置桜』さんでは、『鍛造シリーズ』など、すでに「生もと」はいろいろ発売済みですが、「雄町」で生もとは初めてです。
みずみずしさの中にいろんな味がただよっている感じ。
これは冷でも常温でもお燗でも楽しめます。

同じ『生もと雄町』の21BYも発売されています。

21BYの試飲用の裏張りが面白かったです。
「勇気を出して熱々に燗してください」
勇気を出したお燗って何度くらいなんだろう?(笑)
入荷まで少々お待ちください。



肥前蔵心 きもと.jpg

佐賀『肥前蔵心 生もと純米』21BY

22BYがそろそろリリースされるようです。
21BYは飽きのこない定番酒として、静かなファンのお客様がいらっしゃいました。
22BYはもう少し味がのっているタイプでしょうか。



北島 きもと.jpg

滋賀『北島 生もと 渡船』

他にも「玉栄」「吟ふぶき」などで生もとを造っていらっしゃいます。
この「渡船」は端正で清楚ながらも、凛としたところがあってとても好きです。
大人しいけれどいつもきちんと背筋の伸びた人、みたいなところが好感度100%です。



杉錦 きもと.jpg

静岡『杉錦 すぎにしき 生もと特別純米』

こちらの蔵元さんがとても面白いです。
吟醸王国静岡にあって、「山廃」や「生もと」造りを熱心に研究されています。
なるほどなあ、と思うのは、吟醸造りの良さの肌理の細かいきれいな味わいを残しながら、生もとらしさもちゃんと持っているところ。
そのバランスの取り方、調和のさせ方が絶妙です。
いろんなタイプのお酒を造っていらっしゃるので、詳しくはおたづね下さい。



白隠正宗きもと.jpg

静岡『白隠正宗 生もと純米』

こちらは「生もと」が初めて、という方にもお勧めしやすい生もとです。
お魚に合いやすいように、ちょっとだけ甘みがあります。
強い辛口のお酒は、時によって焼き魚の内臓の苦味とバッティングします。
ちょうどよく甘みを残した設計。
「郷土の名産品とよく合うように」なんて心憎いですね。



杉勇きもとやまおろし.jpg

それから北国でも頑張っています。

山形『杉勇 すぎいさみ 特別純米 生もと 山卸』

北国の「生もと」はもと摺りをしないところがほとんどなのですが、こちらの蔵では「山卸し」をするタイプとドリルで摺るタイプと二種類造っていらっしゃいます。
飲み比べてみるのも面白いです。
もと摺りタイプの方が厚みがあります。
スッキリ系がお好きな方には『生もと+14』という商品がございます。



天穏 生もと.jpg

島根『天穏 生もとにごり』22BY

こちらの蔵のお酒もとても面白いです。
私はこちらの蔵できちんときき酒をするときに評価するお酒と、懇親会で飲むお酒が微妙に違ったりします。
とても素晴らしい吟醸を造っていらっしゃるのですが、懇親会や3次会ではなぜか「生もと」ばかりを飲んでしまいます。
両方あってお酒は楽しい、いつもそう思います。


同じく島根でずっと「生もと」をつくっていらっしゃる蔵

開春 きもと.jpg

島根『開春山口 生もと純米』

定番の美味しさ。
この三日月マークは造り手さんが
「何かが欠けているお酒を造りたい」
という意味なのだそうです。
欠けている部分を補うのは一緒に食べるお料理?
それから私の場合はお酒を飲む雰囲気、一緒に飲む人。
お酒単独で楽しむだけではもったいないと思っています。



開春 オン.jpg

同じく『開春 おん』

低精白の生もと純米酒です。
ちょっと糠っぽかったり、酸っぱかったり。
まだまだこういうお酒は変わり者扱いされがちですが、女性は好きな方が結構いらっしゃいます。
お酒も醗酵食品だと思うと、こういうお酒の美味しさが素直に体にしみこんできます。



五人娘きもと.jpg

お酒は醗酵食品なんだと教えていただいた蔵のお酒

千葉『五人娘』

醗酵の過程で出るいろんな味わいをお酒に残しています。
無農薬のお米にこだわり、酒米といわれる酒造好適米にこだわらない。
今までのお酒造りと、まったく違う方向へ進んでいらっしゃるお蔵です。



香取きもと.jpg

同じく寺田本家さんの『香取』シリーズ
ほとんどお米を削らずに、お酒を造っています。
しかも「無農薬コシヒカリ」が主な原料です。
面白いことに今まで日本酒は飲めないとおっしゃっていた女性の方が「美味しかったわ」と報告してくださったりします。
お酒も食べ物だということを改めて教えてもらったお酒でした。



玉川.jpg


京都の木下酒造さんのお酒
『玉川 生もとコウノトリラベル』

『玉川 山廃純米 雄町』

こちらは英国人杜氏フィリップ・ハーパーさんのお酒。
日本の酒造りの世界に憧れて、まったく違う世界からこの世界に飛び込んだ方です。
酒造りに従事されて20年。
すっかり話すことは関西人になってしまわれていますが、やっぱりどこかで日本人と違う感性を持っていらっしゃいます。
その良さをどんどんお酒造りにも発揮していただきたいです。
今年もどんな面白いお酒を出してくださるか楽しみです。



そして最後は

竹鶴 きもと.jpg

竹鶴 ブラックきもと.jpg

広島、竹鶴酒造さん
『小笹屋竹鶴 生もと純米原酒』

『竹鶴 生もと純米』

21BYから、「生もと」はすべて木桶仕込みになりました。

強い味が特徴の『竹鶴生もと』ですが、木桶仕込みはちょっと違う感じがします。
一つの味が突出しない。
木桶仕込みのせい?
わからないことだらけの「生もと」にますますわからなさが加わるのが竹鶴さんのお酒です。
でも何か感じるものがあります。

美術館に行って…
作品の横にある解説文を先に読んでから作品を観るのと、作品を観てから解説を読むのとでは、作品から受け取る印象は変わってきます。
私は作品を観てから解説を読むタイプです。
何かを感じて、それから解説を読むと
「この感じはそういうものから由来していたのかな?」
と思う。

竹鶴さんのお酒の「何か」をきちんと解説するにはまだまだ時間がかかるけれど…
「生もと」の面白さを追い続けていきたいなと思っています。

はじめて召し上がる方は、黒いラベルの方からお勧めします。



お燗が美味しい季節になってきました。
「生もと」のお酒もお燗で味わいがますます映えます。

体も心も温まりながら楽しい晩酌の時間を過ごしたいですね。
posted by 大塚屋 blog at 09:13| 商品のご案内

2011年04月18日

日本酒義援金プロジェクト

「日本酒で何かお役に立てること」


神奈川の蔵元さんや酒販店さんが中心になって
「日本酒義援金プロジェクト」
を立ち上げてくれました。

一升瓶を一本お買い上げいただくと、500円が義援金として寄付される仕組みです。


この企画のいいところは、誰か一人がお金を出すのではなく
・愛飲家
・飲食店
・酒販店
・蔵元
みんなで一緒に、というところ。

詳しくは

ファイト!日本 日本酒義援金プロジェクト公式HP
をご覧ください。
http://www.fightnippon-sake.net/

吉祥寺、練馬、板橋、渋谷、大塚、新宿、荻窪、日本橋などの飲食店さんが参加表明をして下さっています。


まずは「いづみ橋トンボ義援金ラベル」から入荷しました。

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2010年11月24日

玉川生もと コウノトリラベル 20BY

発売から約1年半経った
『玉川生もとコウノトリラベル20BY』
瓶の底にお酒の成分がオリになってモワモワっとたまってきました。
濾過をあまりしないか、最小限にとどめているお酒が熟成した時の自然な現象です。

10年くらい前なら絶対に苦情の対象になっていたかと思われるこういう現象を、最近の大塚屋のお客様は笑って許して下さいます。
「じゃあ美味しくなっているね。」と言って下さるツワモノもいらっしゃるから情報の伝達の仕方って大事だなあと思います。

オリが出て、77%精米という低精白のお米から造ったお酒独特のザラツキ感がなくなって、味が滑るようになりました。
五百万石の生真面目な輪郭はそのままに、なめらかにまとまって、今お燗ですごく美味しい。

五百万石というお米は私はあまり好みではなかったけれど、低精白純米酒としての五百万石の完成型ではなかろうかと思うほど美味しくなりました。
まあ、私の好みですけれど。(笑)

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とても美味しい手作りの塩辛をいただきました。
柚子を搾って、お酒を垂らしてこれを肴に晩酌タイム。
舌にまとわりつくイカのワタの旨みと磯の風味が、じんわりお燗したお酒と絡み合って溶け合って・・・
幸せの瞬間。
酒販店の嫁でよかったと思うひとときでした。


それにしても、精米77%っていう数字、なぜ?

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以前、ハーパー杜氏にお聞きしたら、
ハ「山廃純米が66%やないですか。」← 関西弁
私「はい。それで…?」
ハ「だったら生もと純米は77%ですやん。」← 相変わらず関西弁
私「日本酒なら65%、70%、75%と5進法ですけれど。」
ハ「そんなん面白くないやないですか〜。」

面白いから???
いいんかいな。


ハーパー杜氏のこういう遊び心が好きです。
ハーパー杜氏のお酒造りの姿勢はとてもきちんとしていて、蔵も和も大切にしていらっしゃいます。
ラインナップの多さのせいで複雑きわまりない酒造計画をスムーズに器用にこなしていかれる様子を昨年見たとき、本当に頭のいい方なんだなあと感じて改めて尊敬もしました。
でも、お酒の商品化へのセンスはちょっと遊び心があったり、一人でラベルを眺めてクスッと笑えるような仕掛けがあったりとかなり楽しい。

大切なところは崩さず、崩してよいところについては根拠のない拘りや固定概念をさっと捨てられる感覚。

こういう方が日本酒業界にいらっしゃるのは本当に楽しいです。


さて、これも賛否両論分かれる商品かも。(笑)
私は賛成派です。

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『山廃純米』をアルコール度数12度代にまで落としました。
疲れた時でも、ちょっとお酒は飲みたい。
明日が早いからほどほどに。
そういう時にもいいかも。

『玉川 山廃純米 やんわり』

おサルが温泉につかっている可愛いラベルが目印です。

京子
posted by 大塚屋 blog at 17:46| 商品のご案内